天皇賞(春)の神レース
1992年天皇賞(春)
優勝馬:メジロマックイーン
前年1991年の日本ダービーを含め、デビューから無敗の7戦7勝という形でこのレースに挑んできたトウカイテイオー。前年1991年のこのレースを制しているメジロマックイーン。
鞍上も岡部幸雄と武豊という、豪華な「2強対決」で話題となったこの年の天皇賞(春)だった。京都・外回りコースの勝負どころ、3コーナーの坂の下りで先に動いたメジロマックイーンに、 トウカイテイオーもマークするかのような形で追走する。
4コーナー、そして直線では2頭が馬体を並べる瞬間もあり、京都競馬場は歓声で湧き上がった。しかしトウカイテイオーは直線で力尽きて後退。振り切ったメジロマックイーンが外から強襲したカミノクレッセの追撃も凌いで先頭でゴール。
メジロマックイーンが古馬最強馬の座を死守したレースだった。
1995年天皇賞(春)
優勝馬:ライスシャワー
2年前の1993年の天皇賞(春)に当時の最強馬メジロマックイーンを破っているライスシャワー。しかしその後は故障などもあり、精彩を欠くレースが続いていた。2年間勝ち星がないまま、再び迎えた天皇賞(春)の舞台。
ライスシャワーは京都・外回り芝コースの勝負どころ、3コーナーの坂の手前でセオリー破りのロングスパート。これは鞍上の的場均がライスシャワーの豊富なスタミナを信じているからこその作戦だった。
ライスシャワーはその鞍上の信頼に応える走りを見せる。3コーナーの坂を越えて4コーナー、そして直線に入っても後続との差はなかなか詰まらない。
ゴール手前でステージチャンプが追い込むも最後まで前を譲ることがなかった。ミホノブルボンやメジロマックイーンといった大物を破った名ステイヤー・ライスシャワーが、その輝きを取り戻したレースとなった。
2003年天皇賞(春)
優勝馬:ヒシミラクル
前年2002年の菊花賞を10番人気の低評価を覆して勝利したヒシミラクル。しかし当時は1番人気のノーリーズンがスタート直後に落馬するなどのアクシデントもあり、この勝利をフロック視されていた。
その菊花賞以降の3戦で掲示板に載ることさえ出来なかった為に、7番人気という菊花賞馬とは思えないほどの低評価でこの2003年の天皇賞(春)を迎えることになったヒシミラクル。
だが日本中の競馬ファンはレース後に、あの菊花賞が恵まれての勝利ではなかったことを思い知ることになる。最後の直線での横一線の叩き合いから抜け出したヒシミラクル。
低評価を下したファンたちをあざ笑うかのような勝利だった。ヒシミラクルはこの後の宝塚記念も勝利し、この年の春シーズンを大いに沸かせた1頭となった。
天皇賞(秋)の神レース
1991年天皇賞(秋)
優勝馬:メジロマックイーン
みんなまだ若かった…今から20年前の天皇賞・秋、史上空前の大事件が起こったレース、長い競馬ファンであればみなご存知のレースだと思う。
この年の勝ち馬はプレクラスニー、江田照男騎手は当時GI初騎乗初制覇の偉業達成となったレースである。昔から府中の2000mには魔物が棲むとされており、この年の前後に完全無欠の皇帝・シンボリルドルフが敗れ、トウカイテイオーは馬群に沈み、ビワハヤヒデの故障、サイレンススズカの競走中止など、悲劇的なシーンを何度も目にしたのがこの「府中2000m」の天皇賞・秋であった。
そしてこのレース、3回鳥肌が立つ。マックイーンのスタートの速さ、そして直線の圧倒劇、さらに、大逆転の確定ランプ…本当に魔物が棲んでいるとしか思えない。これを見た人がそれぞれの思いを抱くことだろう。
これも「競馬」なのだと…
1999年天皇賞(秋)
優勝馬:スペシャルウィーク
優秀な繁殖馬を選定するレースという位置づけで創設された天皇賞、かつてはこの「秋」も3200mで行われていたが、近代競馬の中心レースとして、現在では古馬チャンピオン決定戦の意味合いが強くなっている。
「繁殖」という観点から見ても、この年(1999年)の天皇賞・秋は非常に興味深いものがある。1、2着は、当時旋風を巻き起こしていたサンデーサイレンスの子供たちであった。
勝ち馬・スペシャルウィーク、そして2着は、希代のシルバーコレクターのステイゴールドである。スペシャルウィークは父として、日米オークスを優勝したシーザリオや、現在日本のチャンピオンホースであるブエナビスタを輩出した。
そして、ステイゴールドは、グランプリホース・ドリームジャーニーと、そして三冠馬・オルフェーヴルの兄弟の父として、種牡馬としてはスペシャルウィークを逆転したと言っても過言ではない活躍を見せている。 恐るべし、サンデーサイレンス…
2008年天皇賞(秋)
優勝馬:ウォッカ
「天皇賞・秋と言えば?」と問うとき、おそらく多くのファンが「あのレース」を思いだすはずである。そして、「史上最高のレースは?」と問うたとしても、きっと同じ答えが帰ってくるのではないだろうか。
そのくらい激しくも美しいデッドヒートであった。いつまでも決着がついてほしくないと、多くの競馬ファンは思ったはずである。もちろん2008年の天皇賞・秋・・・まさに「あのレース」である。
結果、ウオッカ優勝、2着ダイワスカーレット・・・勝ち時計は、本当に驚いた、1分57秒2のレコードであった。私はこんなに強い天皇賞馬を見たことがなかったし、こんなに強い敗者を見たこともなかった。
ウオッカ、ダイワスカーレット、その他伏兵も含め最高のレースである。

