• 天皇賞 春 2010年

天皇賞 春・秋

第141回 天皇賞(春) 2010年

2008年の年末のことである。この年の香港ヴァーズでジャガーメイルは3着。勝ち馬とはタイム差なしの接戦だった。「いずれG1を取る馬だ」ジャガーメイルをそう評価した人は少なくなかったに違いない。もちろん関係者は期待しただろう。海外でこれほどのレースが出来るのだから、国内でもすぐにG1レースを勝てるはず。しかし、その期待はなかなか現実のものとはならなかった。

翌2009年の天皇賞(春)は5着。そして単勝1番人気に支持された目黒記念も2着。秋も京都大賞典で4着。G1どころか、G2でも勝てそうで勝てない。その次のレースとなったアルゼンチン共和国杯からこの馬にある傾向が見られるようになった。この馬の手綱は外国人騎手ばかりが取るようになった。クリストフ・スミヨンでアルゼンチン共和国杯5着、香港ヴァーズ4着。年が明けて2010年の初戦となった京都記念もクリストフ・ルメールで挑み2着。

2008年の年末に抱いた期待がなかなか現実にならない。それでも陣営は外国人騎手の起用にこだわった。2010年の天皇賞(春)で手綱を取ったのはオーストラリアの名手クレイグ・ウィリアムズ。そのウィリアムズがようやく彼らの期待に応えてくれた。直線で先頭に立ち、後続を突き放して逃げようとする前年の覇者マイネルキッツをゴール手前で捕まえ、交わして先頭でゴール。これが重賞初制覇、そしてG1初制覇となった。2008年の香港ヴァーズ3着はフロックではなかったのだ。

ジャガーメイルはその後も外国人騎手ばかりが騎乗している。次走の宝塚記念もウィリアムズが手綱を取り、天皇賞(秋)では香港のダグラス・ホワイトが騎乗した。そしてジャパンカップでは英国のライアン・ムーアに乗り替わり、3度目の挑戦となった2010年の香港ヴァーズでは再びウィリアムズが鞍上に。この外国人騎手へのこだわりは相当なものである。そしていずれも世界中で名手と呼ばれる騎手ばかりが手綱を取る。「次走は誰が乗るのか?」が常に楽しみになる馬でもある。

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