• 天皇賞 春 1986年

天皇賞 春・秋

第93回 天皇賞(春) 1986年

1986年の天皇賞(春)で本来は主役となる筈だった馬はミホシンザンだった。前年1985年の皐月賞と菊花賞を制した2冠馬である。しかし骨折で戦線離脱。ファンは皆、代わりの主役となる馬を探し求める。

単勝オッズ1.5倍と圧倒的な1番人気に支持されたのはスダホーク。アメリカJCC、京都記念を連勝し、大阪杯2着という臨戦過程での参戦だった。そのスダホークを大阪杯で破ったサクラユタカオーが2番人気。そして3番人気に支持されたのはクシロキング。前走は中山記念。当初はこの天皇賞(春)ではなく、宝塚記念に直行する予定だった。しかしミホシンザンの回避によって、急遽参戦することに。2走前の目黒記念で3着に敗れていたクシロキングは戦前から」距離不安が囁かれていた。しかしこの天皇賞(春)で大胆な戦術を見せることになる。

道中、ファンは皆、スダホークとサクラユタカオーの位置取りに目を奪われる。レースで騎乗する各ジョッキーが注視していたのもこの2頭であったに違いない。しかしその注目を掻い潜るように岡部幸雄騎乗のクシロキングが動く。3コーナーの坂の手前でスパートし、坂の下りから4コーナーでは3番手に。荒れている馬場を意識してか、直線では馬群の外を回る。

人気のスダホークとサクラユタカオーはその荒れた馬場が影響したのか、末脚を伸ばすことが出来ずにいる。勝敗は前を行く馬に絞られた。前を行くメジロトーマスにクシロキングが懸命に並びかける。クシロキングは恐らく距離面では限界を超えていたに違いない。最後は気力でメジロトーマスを3/4馬身振り切って、先頭でゴール板を駆け抜けた。

人気馬2頭が惨敗を喫したこのレース、枠連は14480円の大波乱となった。主役となるべき存在だったミホシンザンが故障で回避し、距離不安があったクシロキングが見せた気力の走り。この万馬券決着はそんなレースを象徴していたように思える。

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