• 天皇賞 春 2009年

天皇賞 春・秋

第139回 天皇賞(春) 2009年

京都競馬場ではこれまで何度もその「内側」が勝敗のポイントを握ってきた。芝・外回りコースは4コーナーで外に膨らむ馬が多い。3コーナーの坂の下りが原因なのだろうか?多くの馬が膨らんだために空いてしまうコースの内側。その内側を突いて伸びてきた馬が勝つというケースが時々見られる。2009年の天皇賞(春)もその「内側」が勝敗を大きく左右したレースとなった。

先に馬群から抜け出したアサクサキングスも、遅れて追い込んできたアルナスラインも馬群の外、馬場の中央を伸びてくる。その他の馬も同様に馬場の中央、馬群の外を回ってくる。しかしコースの内側からあまり注目されていなかったあの馬が伸びてきた。その馬の名はマイネルキッツ。馬場の内側をスルスルと伸びてきたマイネルキッツに外から豪快に、そして鋭くアルナスラインが襲いかかる。しかし、なかなかマイネルキッツを捕まえることが出来ない。結局、マイネルキッツがクビ差先着する形で先頭でゴール。鞍上の松岡正海の手が高々と上がった。

その松岡正海は当時デビュー7年目。まだ「若手」の部類に入るかもしれない。しかし2007年にコイウタでヴィクトリアマイルを制してG1ジョッキーの仲間入りをした若武者はその後も着実に実力をつけていく。あの「内側」を突くことが出来たのはその成長がもたらしたものということだろうか。マイネルキッツはそれまで重賞未勝利。G2で2着1回、G3で2着1回3着1回と出走馬の中でも実績面ではやや見劣る1頭だった。単勝オッズは46.5倍で12番人気。この評価もその時点では妥当なものだったと言えるかもしれない。松岡はそんな伏兵をG1馬にしてしまったのだ。「騎手の腕によるところが大きい」と言われる長距離戦。その中でも最高峰のG1レースを若い松岡が制した意味は非常に大きい。松岡正海はこの勝利によって、その後も若手の成長株として大きな注目を集めることになる。

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