• 天皇賞 春 1998年

天皇賞 春・秋

第117回 天皇賞(春) 1998年

「2強対決」という前評判だった1998年の天皇賞(春)。前年1997年の有馬記念を制したシルクジャスティスが単勝2.0倍の1番人気に支持され、続く2番人気は2.3倍のメジロブライト。この2頭は前走の阪神大賞典でも対決している。この時はハナ差の接戦だった。軍配が上がったのはメジロブライト。しかし当時はメジロブライトが別定57キロだったのに対し、シルクジャスティスは別定58キロ。同じ58キロを背負う天皇賞(春)ではシルクジャスティスの方が有利なのではないか。そんな評価をする評論家・記者が多かったと記憶している。

そのメジロブライトの父メジロライアンも1991年の天皇賞(春)に出走している。同世代のライバルであるメジロマックイーンとの対決が注目されたメジロライアンだったが、直線で伸びを欠いて4着に敗れた。その子供であるメジロブライトにとって、同世代のライバルとの対決、という図式は父と全く同じ。そのメジロライアンの無念を知るファンはメジロブライトにその雪辱を期待した。

好位5~6番手のポジションでレースを進めたメジロブライトは直線で馬群から抜け出してゴールを目指す。一方のライバルであるシルクジャスティスはその後方で伸びを欠いてもがいている。メジロブライトに父メジロライアンの無念を晴らす瞬間が訪れた。2着ステイゴールドに2馬身差をつけて先頭でゴール板を駆け抜けたのだ。

この勝利は単に父が手にすることが出来なかったタイトルを獲得した、という以外にも大きな意味を持つ勝利だった。メジロブライト自身もこれが初のG1タイトルだったのだ。前年1997年は皐月賞4着、ダービー3着、菊花賞3着。善戦はするものの、なかなか手が届かなかったG1タイトルに、ようやく手が届いた瞬間だった。3歳クラシック戦線よりも古馬の天皇賞(春)を重要視する「メジロ」の冠を持つ馬らしい勝利ということが言えるのかもしれない。その勝利をやはり「メジロ」の冠を持った種牡馬の子供によって果たしたのだ。名門馬主・名門牧場の伝統を感じた天皇賞(春)だった。

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