• 天皇賞 秋 1999

天皇賞 春・秋

第120回 天皇賞(秋) 1999年

1999年の天皇賞(秋)で、単勝1番人気に支持されたのはセイウンスカイ。前年1998年の皐月賞、菊花賞を制した2冠馬は、この1999年も日経賞1着、天皇賞(春)3着、札幌記念1着と、古馬戦線の中心に位置する存在にある。2番人気はツルマルツヨシ。朝日チャレンジカップ、京都大賞典と重賞を連勝して、この天皇賞(秋)の舞台に駒を進めてきた。3番人気はメジロブライト。1998年の天皇賞(春)を制した実力馬は、この1999年も日経新春杯優勝、阪神大賞典・天皇賞(春)・京都大賞典で連続して2着。この馬も安定した競馬を続けている。

しかし、本来ならば1番人気になるべき馬は他にいたのである。その馬の名はスペシャルウィーク。前年1998年のダービー馬で、1999年も天皇賞(春)を制している。しかし、この後から歯車が狂い始めてきた。続く宝塚記念で、グラスワンダーに予期せぬ敗戦を喫し、秋初戦の京都大賞典では7着と掲示板に載ることさえ出来なかった。そしてこの天皇賞(秋)が近づいてきても、栗東トレーニングセンターからはこの馬について、いい話が聞こえてこない。状態に疑問符がついたままで、レース本番を迎えることになった。

アンブラスモアが逃げて、1000メートル通過は58秒0のハイペース。前の馬には当然厳しい流れとなる。エアジハード、ステイゴールドといった馬たちが前にいた馬たちと入れ替わる形で、馬群から浮上する。この日は中団でレースを進めたセイウンスカイも伸びてきた。しかしその外から更に、まさかの1頭が脚を伸ばす。スペシャルウィークだった。馬群の一番外を回ったスペシャルウィークは、全ての馬をまとめて交わすような形で先頭でゴール。この豪快な勝ちっぷりに、多くのファンは驚いた。

京都大賞典の大敗は何だったのか?中間の調整過程で伝わってきた「不調」という情報は何だったのか?ファンは皆、首を傾げるしかなかった。しかし同様の状況は、この1999年の年頭にもあった。アメリカジョッキークラブC出走時も、そんな「不振」の情報が流れる中、そうした評価を吹き飛ばして勝利を挙げていたのである。調教で動かない。ステップレースで大敗する。これは一流馬となったこの馬特有のリズムではないのか?天皇賞(秋)のレース結果を、ファンはそう分析するしかなかったのである。

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